| | チェス日本代表は試合中、頭の中でどんなことを考えているのかインタビュー
現在ヨーロッパ武者修行中のチェス日本代表・小島慎也さんにチェスの試合を通じて、僕らが日常でも応用できそうな「勝利の方程式」を語ってもらいました。
小島慎也 1988年11月15日生まれ。神奈川県出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。
2001年 中学入学直前にチェスに興味を持ち、麻布学園チェスサークルにて本格的に競技としてのチェスを始める。 2005年 16歳で第38回全日本チェス選手権全国大会優勝。当時の最年少記録を更新する。 2009年 日本人で5人目となるFIDE Master タイトルを獲得。 2011年 慶應義塾大学卒業後、日本人初となるInternational Master タイトルの獲得を目指しつつ、フリーのチェスプレーヤーとして活動。チェス関連書籍の執筆・監修多数。
小島: まず序盤はですね、20手ぐらいまでのいわゆるオープニングですね。相手の駒がまだ作用してこない展開という言い方もできます。どういう風に試合を進めていくのか。もっと言えばどういう陣系を組むのか。事前に考えていた陣系をあまり考えずに指していきます。 基本を忠実に守ることですね。どの陣系を選んだとしても、そこにはセオリーというものがあって、その有効性はこれまでに研究し尽くされています。時には歴史に敬意を払うことが必要です。ここでは突飛なことはせずに、セオリー通り丁寧に指していきます。そういった意味で、3つの段階で一番知識が求められますね。
中盤は自分と相手の駒が直接的に作用していきます。仕掛け合いですね。予想できないこと、わからないことが多くなっていきます。 何故、自分は今、この手を指すのか。そしてその狙いは正しい狙いなのか。手の意味が繋がって思いがけないことが起こるというのが「奇術師」の所以です。
終盤はお互い駒が少なくなって、チェックメイトを狙いにいく段階です。「この手じゃないと勝てない」というシーンが出てくるので一番ミスが許されないと言えます。 終盤の優勢の度合いにもよりますが、終盤にミスを犯して勝ちが引き分けになるということがチェスでは頻繁に起こります。 「機械」のように正確に指して、勝ちを確実に掴むというのが終盤ですね。
状況が良くても、悪くても冷静でいるように心がけています。例えば、優勢で「いける!」とがっついたり、逆にミスを引きずったり。そういうのはミスを引き起こします。余計なことは試合の後考えればいいんです。優勢な時でも常に良い手を見つけるよう努め、逆に劣勢でも丁寧に抵抗するのです。
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